タケ(神人)さんライブと絶品「阿じろ」弁当 (上巻)
15日水曜日に京都に行ってきました。まるまBBSでもよく書き込んでくださる、 ビーガンのタケさんのコンサートがあったんです。京都の「阿じろ」っていう精進料 理屋さんで板前をしながら、自ら歌を作って歌っているという、すごい人で、神人っ ていうお名前でCDを出してらっしゃいます。
ずっと前から行くと決めてたので、すんごくすんごく楽しみでした。
仕事を少し早い目に切り上げて、JRに乗ってコトコト、コトコト。京都駅からさ らに嵯峨野線っていうのに乗り換えて、花園駅で下車。夕方六時前になると、さすが にかなり寒くなってました。友達と待ち合わせて会場へ。
花園駅から歩いて5分くらいのところに、精進料理屋の「阿じろ」があります。そ の阿じろのさらに数件隣に会場はありました。会場といっても、大きなホールではな くて、京都の町屋を改築したところです。
改築して、アートギャラリーみたいな感じにしてるのかな。「妙芸」という名前で した。
町屋なんて入るの、初めての経験。そういえば、おじいちゃんちがこんな感じです。おじいちゃんちは、お豆腐屋をしてましてね。ずっと昔の家のまま改築を繰り返して いるので、炊事場やお風呂は草履や靴を履いて通路を歩いて行く、って感じ。トイレは奥のふすまをあけて、廊下を歩いていったり、部屋と部屋はふすまで区切られているので、大勢の人が入る時はふすまをはずせばおっきな部屋になるんですね。
入り口でチケットを渡して中に入ると、畳です。座布団がいくつも並べられてる。 座布団に座って歌を聴くなんて、初めてだよー。
壁は本来白かったんだろうけど、歴史を刻んだ模様がありました。「この壁は文明 開化のころも見てきたのかな」などと、ボーっと考えてたら、お弁当が運ばれてきま した。
そうなんです。このコンサート、目玉は二つありまして、もちろんタケさんの歌。 さらには目の前にある、「阿じろ」の精進弁当なんですねー。やったぁ。
「阿じろ」は、近くにある妙心寺っていうおっきなお寺御用達の料亭でして、それ だけ由緒あるお店。その阿じろのお弁当が、こうやって目の前で手軽に食べられるな んて、最高だよ(涙)。
お弁当には、大きな鉢が四つ、小さな鉢が一つありました。左手前から時計回りに ご飯、薄味の煮物たち、少し濃い味系の一番大きな鉢、ゴマ豆腐となってまして。真ん中の小さな鉢は山芋らしきものが入ってます。あとチマキもある・・・。
目の前に出されたお弁当としばしにらめっこ。だってさ、誰も食べ始めないんだも ん。おなかすいたよぉ。私一人、先に食べ始めたら恥ずかしいし。
実はですね、お昼ご飯がすごくしょぼくれてまして。また今日のお昼に野菜もなん もなくって、食パンを1枚半かじっただけなんです。ああ、腹ヘリコプター。
お茶を飲んで我慢してたら、誰か食べ始めたので、思わず私もいただきまーす。これぞ犬食いです、犬食い。せっかくの阿じろの精進弁当なのに、勢いがとまりません。 いやさぁ、もうちょっと味わって食べりゃあよかったよ。だって、私が食べ終わるこ ろ、いっしょに来た友達なんて、まだ半分も食べてなかったぞよ。
京都の料理をいただくと、本当に不思議に思うんです。味付けはすごく薄味。薄味 でありながら、その素材の味が最大限に活かされていて、いつもの食事よりも「なぜ か濃く」感じるんですね。私なんて、調味料で味を誤魔化すタイプですから、味付け を薄くするほうが濃くなる、というパラドックスみたいな料理は不思議で不思議でた まらないんです。
にんじん、すごくおいしかった・・・。甘くってね。「はぁ、こんなににんじんっ て甘いものなんだ」って。にんじんのアクのような味のかけらもない。大根は、しん みりとゆずの香りがして、きゅうりはほのかに塩味がついてました。
ご飯は花形にかたどられてまして、上にひじきのふりかけがかかってました。このふりかけ、以前阿じろに行った時に買ったのんや。
そうそう、阿じろの料理で、まるまは練り物・形変化した系も好きなんですね。ゴ マ豆腐もそう、湯葉もそうだし、それにそれに、なんといっても生麩。生麩は、スー パーで高いお金だして買っても、なぜかあんまりおいしくない。あれって料理の仕方 もすごく難しいと聞くんだけど、阿じろの生麩はもっちもち。
このもちもちさは、お餅では出ない。弾力があるのに噛めばプチって切れて、切れ たくせに切れてないほかの部分はもっちもちしてる。この食感が忘れられずに「ああ、 この味、この食感」と思いながら食べました。
ちまきもですね、お餅じゃなくって、生麩で作ってあるんです。前回食べた時は、中にジュワっと杏子のような味の汁が飛び出してきたのですけど、今回は粒あんでし た。小豆の粒がすごく大きくって、甘すぎずにおいしかったー。生麩の中にこういう のを入れるのって、どうやって作るんだろ。謎は深まるばかりですね。
ゴマ豆腐は、阿じろ特製の「雲龍胡麻豆腐(名前うろ覚え)」というのがありまして。白いゴマ豆腐に、たぶん黒ゴマだと思うんだけど、そのペーストにしたものをフ ワっと混ぜると、ほら、コーヒーの中にクリープを入れた瞬間の、あんな感じになる のかな。それが雲を上っていく龍に見えるから、この名前がついたんだって、聞いたことがあります。たぶんきっと、このゴマ豆腐を食べるためだけに店に行く人もいる んじゃなかろうかって、私、勝手に想像してます。
今回のゴマ豆腐は、普通の白いゴマ豆腐でした。でもね、でもね、おいしい・・・。 本当においしい。いつも食べてる、スーパーのパックゴマ豆腐と比べちゃあいけない んだろうけど、濃厚なゴマの風味が豆腐を口に運ぶたびに広がって、鼻から抜ける。 そんな感じです。
湯葉は、少し油が含まれていて、ほんのり甘辛くしょうゆ味がついてました。あと、 すりおろした山芋の下には大豆ミートの偽肉ミンチ。
犬食いだったので、全貌を覚えてません、ごめんなさい。でもすごくおいしくって。
2004年12月18日
(下巻に続く)